水の旅 ニュージーランド編
水の旅 ニュージーランド編 1話目
ニュージーランドへ行った際のお話です。
私たちの旅は毎回そうなのですが、土地神様に呼ばれてるとしか思えないようなことが次々起こり、無視しきれなくなってきます。(この現象についてはまた、おいおいお話しします^^)
その頃コミュニティーハウスを形成していた私達、とにかく「ニュージーランドへ呼ばれたので行ってくる!」その一言で理解してくれたコミュニティーハウスの家族のみんなに見送られ、目標3ヶ月の長旅の始まり始まり〜。
(写真真ん中はマオリ族のアナ)
もちろんですがNZ(ニュージーランド)には、知り合いもコネクションも全くありません・・・思っていたより物価の高いNZ・・・なるべく安く行こう!
ということで、一番安いキャンピングカー??
ロングのセダンに布団と調理道具一式が詰まったものを借りました。
(一枚目の写真)
キャンプ場以外の場所で寝泊まりをすると罰金!と知って、
キャンプ場を探しますが、最初に行ったエリアでは、無料のキャンプ場は見つかず・・・
温泉の源泉がある、ちょっと高めの有料のキャンプ場になんとか
チェックインしました。
そして、そこで働く、マオリ族のアナと出会いました^^
アナは私達と会うなり、「よく来たね、僕はあなた達を待っていたよ兄弟!!」
と言って、キラキラした目で話しかけてくれました。
その時は、お客さんに対して物凄いウェルカムな挨拶をしてくれるキャンプ場なんだと思っただけでした。
しかし、その夜、ぼちぼち寝るか〜という頃。
アナがやってきて、「家においで!」
と言って、キャンプ場の一角にあるキャンピングトレーラーハウスに
招待してくれたので、行ってみました。
そこには、もう一人。
イケメンで笑顔が素敵で、片目が義眼のジョーと言うマオリ族の人がいました。
トレーラーハウスの奥には、マオリ族の仏壇(祭壇?)でしょうか?
があり、多少埃をかぶってはいるものの、花が飾ってありアナのお母さんらしき人の写真やおじいさんの写真、羽や石の首飾りや綺麗な彫刻の小刀などが飾ってある棚が目にとまりました。
アナに聞いてみると、先祖達だと話してくれました。
一緒にお茶を飲んで、ギターや太鼓で歌ったり踊ったりしているうちに、私が歌を歌うと・・・マオリ族のジョーとアナが何やらマオリの言葉で話しをして、私達を伺っています。
そして、アナがおもむろに 祭壇のお母さんの写真にかけてあった、かぎ針型の翡翠をとって、埃を手で拭いながら私達に差し出したのです。
「これは、私が母から譲り受けたもの、代々続くもの。あなた達にあげる。」
え〜そんなんもらって大丈夫なの?!と驚く私達に
「私はわかっているから大丈夫」とアナ
何が何だかわからない私達・・・・・
とにかく、それを受け取り「どうもありがとう」としか言えませんでした。
自分達のテントに帰った私達は、なんだかキツネにつままれたような気分でした。
「まー、すごい熱い友達と知り合った」という印象でした。
次の朝起きると、キャンプ場のオーナー(ここのキャンプ場のオーナーはインド人と白人の夫婦で、アナ達を奴隷のように、扱う人でした。)がアナ達を怒鳴り飛ばしていました。
びっくりしている私たちに、アナは
「気にしないで!慣れているから^^それより、明日いろいろ案内したいから、もう一泊ここに泊まって欲しい」といってきました。
私達にはちと高すぎるキャンプ場だし、オーナーは嫌な感じだし・・どうしようか?
と迷って、「考えてみる」と返答しました。
その夜、アナがやってきて
キャンプ場の温泉プール(その時は工事を控え温泉を止めていた)を再開したから
「今から3人で入ろう!!」と誘ってくれたので、急いで水着に着替え
満天の星空、天の川の下で3人で広い広い温泉プールを満喫しながら、アナが
「オーナーが、あなたたちの宿泊代をタダにするって!だからもう少し泊まって^^」
といってきました。
そうゆうことなら・・・私達も急ぐ旅でもないし、断る理由もなく、快く承諾しました。
温泉プールの中で、私はアナに「なんであんなオーナーの下で働くの?」と聞くと
「ここのキャンプ場の源泉は、元々マオリ族の聖地だった。大切な場所。でも登録の手続きで間違いがあり、白人の個人の所有物になってしまっている。僕は今の前のオーナーの時からここに入り込み、働いているんだよ。ここを守るため、どんな嫌なオーナーになろうが、もし給料を貰えなかろうとも、ここを守るためにここにいる」とアナ。
その話に、胸が締め付けられそうになって、歪んだ私の顔を見たアナは
「大丈夫^^この満天の天の川の下、兄弟達と温泉の中、全てが素晴らしい〜✨」
と言ってくれました。
次の日、アナ達はお休みだったので友達から借りた車で私達を、いろいろな場所へ連れてってくれました。
その日の帰り道、アナが「三日後にマオリ族の祭りがあって、他の人種は入れない祭りだけど、君達をマオリ族の酋長に合わせたいので、それに来て欲しい!」というのです。
私たち的には、だいぶ濃くアナ達とも過ごしたし・・・
まだ来たばかりのNZ、もう少し自由にNZを見たい!というエゴがあり、あと三日は長いな〜。と、思ったので、「この旅を先に進めたいから明日ここを出ます。」と答えました。
アナは泣きそうに残念な顔をして、「無理強いはできないけど、本当に本当に祭りに来て欲しい・・・」と言って悲しそうにしていました。
次の朝、またキャンプ場のオーナーの怒鳴り声で目覚めた私たち・・・
テントから出ると、キャンプ場のオーナーが私達のところにやってきたので
宿泊代をタダにしてもらったお礼を言うと・・・・な・な・なんと!
「そんなことはしていない!アナがあんた達の宿泊代を払ってんだよ!!」
と聞かされ・・・私たちは急いでアナに確認しに行くと、実はそうなんだとアナ・・・
いよいよここにいづらくなった私たち、アナにお礼とハグをして、もらった翡翠を返そうとすると、「これはあなた達を守るお守り、あなた達は決して食べ物や、人の縁に困らない、どうぞ持って行って」と言ってくれました。
私たちはなんとも言えない感じで、キャンプ場を後にしました。
つづく・・・